プロジェクト詳細

ユーラシア文化交流基金

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ユーラシア文化交流基金

東京藝術大学が新たに社会連携の一環として創設した「ユーラシア文化交流センター」は、ユーラシア全体の文化遺産の保護・修復・複製制作・遺産活用に関する情報を交流・蒐集し、文化的発展に深く貢献する国際ネットワークを構築してまいります。

■概要

ユーラシアは、異なる文化が交差し、融合し、変容し、新たな文化を絶えず生み出してきた創造的な空間であり、また壮大な歴史空間でもありました。グローバル化の浸透に揺動しながら、新たな文明の形成を模索し始めています。
ユーラシア文化交流センターは、我が国の経済・文化的な支援事業や関係諸国からの協力・支援要請などに着実に対応し、21世紀にふさわしい双方向的な社会連携・国際協働を推進する機能を果たそうとするものです。

■計画中のユーラシア文化交流事業

1.アフガニスタン展覧会の開催と「文化財難民」の母国帰還 ~故平山画伯の意志を継いで~

東大仏_景観_CA3255

元東京藝術大学学長であった故平山郁夫画伯が、内線の混乱の中、アフガニスタンから海外に流失した文化財の保護を国際社会に訴え、自ら「アフガニスタン流失文化財保護日本委員会」を組織し、保護した文化財が102点を数えています。
この中には「ゼウス神像の左足」「カーパシャ兄弟の仏礼拝図」などカブール博物館所蔵の国宝級の貴重な美術品が含まれています。
また、破壊されたバーミヤンの大仏の壁画から削り取られて持ち出された壁画断片も東京藝術大学で修復固定され母国帰還を待っています。

2016年春、福岡と東京で「黄金のアフガニスタン・守りぬかれたシルクロードの秘宝展」の開催が決定したことを機に、「東京藝術大学アフガニスタン特別企画展」を開催することとしました。
その際、破壊されたバーミヤン東大仏の天崖を飾っていた「太陽神と飛天」の復元制作に取り組み公開する計画です。
30年以上前に京都大学の故樋口隆康名誉教授らが撮影した写真をもとに、東京藝術大学の特許技術を活用した三次元復元で、10メートルを超す大作となり、世界で初めての挑戦となります。
故平山画伯の意志を継いで、「日本が文化で国際貢献する」ことを内外に発信する絶好の機会となることを期待しています。

2.アジア仏教遺産緊急調査事業

ユーラシアの文化遺産の多くは、相次ぐ戦乱や民族紛争の中で危機に直面しています。
2001年タリバーンによるアフガニスタン・バーミヤン遺跡の爆破は世界に衝撃を与えました。
失われた大仏や壁画は、往時の姿をよみがえらせることはできません。
中央アジアの各地で相次いで発見される仏教遺跡は、インド、ガンダーラからシルクロードを通じて、極東の日本にまで伝播した仏教美術の変遷をたどる重要な研究材料です。その遺跡が崩壊・破壊・盗掘などの危機に見舞われています。
東京藝術大学は、これまで育んできた伝統的な保存修復の技術に加えて、最新の高精細デジタル技術を導入して、かけがえのない人類遺産の保存・保護に貢献していくことを目指していきます。

3.国際文化遺産保存修復病院の設立

東大仏_太陽神_CA7524

近年、文化遺産保存分野における国際的対応の要請が急増しています。
我が国においては、「海外の文化遺産の保護に係る国際的な協力の推進に関する法律」が施行され、これに伴い「文化遺産国際協力コンソーシアム」が設立されるなど、文化遺産の国際協力に対する体制が整備されつつあります。
日本は、個々の分野においては非常に高い技術レベルを持ちながら保存修復専門家が常駐する機関がなく、一連の保存修復業務を効果的に行うことができないため、海外からの要請に迅速に対応することが難しく、多国間で行う保存事業において遅れを取る場合が少なくないのが現状です。
さらに、海外の文化財の修復を依頼されても、それに対応する機関がないことから、修復対象を日本に持ち込んで修理したのち、返却するという一種の病院の設立が求められています。
こうした状態が今後も続けば、文化遺産保存分野における日本の存在感は大きく低下し、国際協力の場から日本が後退することになりかねません。
この現状を改善し、当該分野における国際競争力を向上させていくためにも、特に以下の項目に関して対応可能な機関が必要となっています。

1)文化遺産総合病院としての機関
2)文化遺産保存分野における国際協力事業への対応の必要性
3)大規模災害を含めた緊急事態への対応の必要性
4)知識の集約・蓄積・継承
5)人材育成

■ご支援のお願い

世界は多様で豊かです。
人類は自然と対話をしながら、みずからの歴史を紡いできました。
それぞれに異なった時間の中で、異なった糸により織り成した文化の模様は実に多彩です。そこには人間の知恵、技術、努力、感性、想像力のすべてが注ぎ込まれてきましたが、いまだ未知の核がいくつも存在します。
東京藝術大学が創設した「ユーラシア文化交流センター」、この新たな活動体には跳躍を高める弾性に富んだ跳ね台が不可欠です。
東京藝術大学は大いなる飛翔の発条となる「ユーラシア文化交流基金」を設定し、「世界の活動」になんらかの関心を寄せる多種多様な企業や法人・団体、知と精神・科学と芸術文化の融合に心を寄せる多くの人々の強いご支援を期待しております。

[ご寄付のお問合せ]
藝大基金事務局(東京藝術大学 総務課内)
050-5525-2400 平日9:30-12:00、13:30-16:30