落合真子さん 宗次德二特待奨学生第7期生

この度は、宗次德二特待奨学生として勉強できる機会を与えていただきましたこと、心から感謝申し上げます。宗次様より心強いご支援、そして大きなチャンスをいただけたことを大変光栄に思うとともに、その責任を実感し身が引き締まる思いです。

今年度の入学試験は、新型コロナウィルスのパンデミックにより日本でも感染拡大が危ぶまれる中、厳戒態勢の中での挑戦となりました。憧れの東京藝術大学で勉強できることに喜びと期待でいっぱいでしたが、新年度を迎えて数か月が過ぎた今もなお、自由にキャンパスに足を踏み入れることが出来ない日々が続いています。

この自粛期間、改めて音楽の意味や価値について、そして人が生きることについて考えることが多くなりました。感染症拡大の影響で社会は混乱し、音楽を取り巻く環境もとても厳しくなりました。先の見えない状況に不安もありますが、歴史を振り返れば、戦争や巨大災害は、音楽活動の継続を難しくするにもかかわらず、音楽は決して絶えることなく、人々の心に安らぎや希望を与え、絆を深めるために何度も何度も蘇ってきました。

この事実を心の支えに、今私は音楽や芸術の持つ力と普遍性を信じ、自分なりに課題を設定し、教養を深め感性を磨きながら有意義に過ごすことを心がけています。世界がこのウイルスとの戦いを乗り越えた後、音楽がどのように蘇るのか、また私がこれからの社会とどのように関わり貢献していくことができるのかをしっかり考えていきたいと思います。

宗次様はじめ、関係者の皆様、そしてご指導くださる先生方への感謝の気持ちを忘れず、人の心に寄り添うことのできる演奏家を目指して、一途一心に努力して参ります。

 

音楽学部 器楽科(ヴァイオリン)
落合真子